Point of No-Return

バイクが趣味なおっさんのブログ

泡沫の夢(赴任内示…)

「一般的な」国に駐在したことはないので、
多分、「何かとめんどくさい」国に駐在した人には分かるでしょうが、
『就労ビサ』を取得するのは手間がかかります。

また、会社内の段取りもあるので、ウチの会社の場合は半年前内示でした。
(正式な内示は3ヶ月前なんですが、中国赴任の場合は半年前)

その理由は、赴任先国の就労条件に「HIV性感染症を持っていないこと」があるから。
まぁ、プライバシーや差別的要素云々の前に、それがその国のルールですから…
(こういった条件のある国はそう多くはないハズ)

ですので、会社としては赴任予定者に「万一」のことがあると、
人員計画が崩れる(赴任者の再選定や役員決裁取り直しに手間がかかる)ので、
「めんどくさい国」への赴任内示は早いのです。

まーったく、海外赴任なんか考えていなかった私ですが、
6月に部長秘書が「部長がこそっと来い!って呼んでますよ〜」という脳天気に
大声で声を掛けてきたので、自分含め、その辺りに詳しい人間にはバレバレでした。

で、部長からは、
「あくまで君個人の意思でなんだけど、保健所に行ってエイズ検査受けてきてクレね?
 結果はプライバシーに関するので、報告はしないで良いけど、
 どうだったかだけ聞かせてくれ。」(それって報告でしょ?)

私:それはいいのですが、せめて何処だか教えてくださいよ〜!
  そういう検査受けるってのは、カナダ?オースト?
部:ちゃう!お前には似合わんだろ!
私:まさか…中東?ロシア?まさか、まさか南アフリカじゃないでしょうね!

部:ハズレ〜、今はどこの国か言えないけど、ペキ…あっ、言っちゃった!
私:ペキすたん?なわきゃないか…
部:だよねぇ〜\(* ¯◕∀◕¯ )/💙

これが私の初駐在が決まった時の状況でした。

しょんぼり席に戻った私に以前ヨーロッパに駐在してた同僚が、
「この時期の内示ですから、それ相応の国ですよね(いひひ)〜。
 きっとペキペキでしょ?知り合いが5年放置状態なんですよ。
 どうも歴代部長が『帰任させてるの忘れてた』って聞きましたよ〜」

Oh, My God(我的妈呀)…

ちなみに、その阿呆は翌年、私の後を追うように中国の南(広州)に赴任して来た…

f:id:kurekureTAKORA:20210819200755j:plain

唐突な写真ですが…

地方により異なるかもしれませんが、保健所では「匿名検査」を無料でやってくれます。
HPで検索すれば匿名検査日と時間などが示されているので、行って希望病種を記入し、
採血、1時間ほど待てば結果がこのような紙で示されます。(HIV、梅毒、淋病、肝炎)
これで私の赴任は決定しました…
(もちろん帰任の際も「念の為」検査しましたよ。当然、シロ)

その後、ビザ申請に必要となる「犯罪履歴証明書」を警察本部で出してもらいます。
(犯罪歴のある人間もビザが発給されない。私は過去一度、道路交通法違反で
 略式起訴を受けています…唯一の希望)

送付されてきた犯罪履歴証明書は封筒に入り「がっつり」封印されています。
開封すると無効になるらしい)
この封筒の厚さで大体わかるらしいのですが、私のはペラペラ。(残念!)
並行しながら会社が用意する書類以外に自分で用意するのは
公的病院での健康診断とその証明書。
(ここでも性病検査あり。当然シロ!赴任直前も会社の赴任前検診で3度目の性病検査)
人生でこれだけ性病検査される事は2度とないであろうと祈るばかり。

一通りビザ申請に必要な書類が揃ったら、全てを中国語に翻訳し、
まずは在日中国大使館で事前審査され、OKが出て、初めて本国にビザ申請されます。
(それでも所謂Zビザと言われる有効期間1ヶ月だけの仮就労ビザ

f:id:kurekureTAKORA:20210819201145j:plain

これで中国に入国し、現地の法人との雇用契約書や社会保険関係の書類とセットして
正式に就労ビザ申請をすることになります。(Zビザは一度出国すると無効になる)
ですので、1月に入国したら、正規ビザが発給されるまでの間、帰国できません。
(仮に身内に不幸があったとしたら、申請を一からやり直すことになる)

海外に駐在するのは結構、大変なんですよ。(国によりますが)
めでたく2月の頭には就労ビザ(初回は1年間)も取得でき、外国人就業証もGet!

f:id:kurekureTAKORA:20210819210959j:plain

さて、正式赴任前に出向先の会社への挨拶や業務の引き継ぎ、家探しなどもあり、
2015年10月末に北京に久々に行って来ました。

f:id:kurekureTAKORA:20210819202021j:plain

f:id:kurekureTAKORA:20210819202039j:plain

f:id:kurekureTAKORA:20210819202132j:plain

相変わらず仕事が終わると制服でも「素に戻る」中国のお役人。

f:id:kurekureTAKORA:20210819202109j:plain

中国国営放送(CCTV)。昔行った時は春節の花火で建築中だったけど炎上。(2010)

f:id:kurekureTAKORA:20210819202508j:plain

f:id:kurekureTAKORA:20210819202647j:plain

中国の都会民は基本、自炊はしないのです。
朝も屋台でご飯を買うのが一般的。まぁ通勤も大変なので効率的なんですけど。
北京はさすが首都なので、食品衛生基準も厳しいです。

えっ?北京に赴任する予定があるって?
では、一つだけお勧めをします。冬は最低−20度超えになります。
1月末から3月上旬までの辛抱ですが、北部中国(黒竜江省等)への出張もあるなら、
防寒ウエアは持って行った方が良いですよ。(現地でも買えますけど…)

f:id:kurekureTAKORA:20210819203243j:plain

f:id:kurekureTAKORA:20210819203319j:plain

f:id:kurekureTAKORA:20210819203535j:plain

U.S.ミリタリーウエアは非常に優秀です。(B3、N3B等)
N3Bは通勤時の必須ウエアでした。(フードがないと耳が千切れます。)

加えてもう一つ!
インターナショナルなクレジットカードは、このご時世、ほぼ使えますが、
現地での支払いの9割方はWechat Pay(微信支付)です。
(コンビニもタクシーも、道端の果物屋、フードデリバリーも)

f:id:kurekureTAKORA:20210819212413p:plain



現地で給料が支給され、現地銀行口座の開設(これがないとWechat支払できない)が
できるまでの間は現金が必要になりますでしょうから、現金を用意する訳ですが、
日本で人民元を手配する為、替手数料がバカになりません。
是非、現地駐在に頼んで、個人間為替取引で現金を用意することをお勧めします。
(1人民元あたり1.5円の手数料としても、2万元だと3万円!)

現地駐在も帰任時に現地通貨を日本に送金する際に手数料取られちゃうので、
日本の銀行口座間で日本円で換金するのはメリットありますから。
(もちろん、それなりに相互信頼できる人間関係が前提ですけど。)