Point of No-Return

バイクが趣味なおっさんのブログ

泡沫の夢(生活開始)

来てしまった以上、帰任の日が来るまで生き残るしかない…(大袈裟)

さて、カレンダーの日を一日一日、塗りつぶそうか…などと消極的な事は考えず、
帰るまでに少しでも「内側の中国」を見てすごしたいな、と前向きに考えました。

上海や広州に比べると北京の生活はあまり日本人には馴染みがないかな?
首都ですが、観光?といっても思い浮かぶものがあるでしょうかねぇ?
天安門万里の長城?北京ダック?…そんなモノでしょうか?

私が赴任したときには北京に住んでる日本人は8千人程度と言われてました。
ちょうどPM2.5などの空気汚染が酷い状況となっていたので、
家族・子供づれの方は家族を帰し始めているような感じでしたので、
「上海は8万人、広州は5万人いたが、日本人は減り始めている」と聞きました。

まぁ、万の単位で同胞がいるかどうかで生活環境も全く変わってきます。
まず、日本食材を扱うスーパー(ヨーカドー)は断然少なかったですね。
赴任前には3箇所あったと聞きましたが、赴任時はヨーカドーは1箇所。
それも2年目には閉店してしまいました。

ローカル居住エリアに近い場所にあったこともあり、客数はそれほど多くなかったし、
やはり日本人が一定数いないと、経営も成り立たないでしょうね。
AEONはスーパーというより富裕層向けの大型ショッピングモールで人気。
外資系では米系ウォルマートが北京では多かったかな?
上海ではフランス系カルフールが多かった気がします。3者ともに扱う食材は
ローカルをメインに備えていましたので、お客はそこそこ多いです。
(でも、ローカルスーパーより値段は高いです。感覚3割から5割高い)

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まぁ、10年前はスターバックスが広州などに進出し始めていたタイミングで、
80年代生まれの当時の先端層が、でかいノートパソコンなどを抱えて、
コーヒーではなく、奶茶(ないちゃ:紅茶ミルク?)を啜っているイメージでした。
(当時はガラケー主体で白いMacBookとiPhone3Gを持つ私に若者が群がってきた)

赴任した時点では、北京でもあちこちにスタバができ始めていました。
「北京の青山?」的な三里屯のスタバは、お洒落なカフェとして満員でしたね。
スタバより先に、コスタコーヒー(英系)が結構出店していたようです。
(最近、日本でもコンビニにボトルコーヒーが売ってますね。)

ですが、ローカルはあまりコーヒーは飲みません。やっぱりお茶が体質に合うようです。
基本彼らが飲むのは「水またはお湯」です。(もちろん水道水ではない飲料水)
それ以上に「高い」んです。
ざっくり、レギュラーサイズで一杯30元くらいしてたかな?
(赴任時は1人民元=20円だったので600円程度。)

ローカルの昼飯代が高くても20元くらいが目安でしたから、
なかなか普通の中国人が普段飲むという感じではないですね。

では、20元程度で「普通の北京人がどんなものを食ってるのか?」

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中心地の国貿から少し外れたローカル御用達のフードコート。
プレート左のプリペイドカードで払うと割引(1割)があります。
ご飯とトウモロコシスープ?に好きなオカズを2種か3種選んで、10−15元。

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焼き餃子(珍しい)10個と小豆のお粥で12元。

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高菜ラーメンとか煮込みうどんとかね。

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ま、美味しいですよ。
餃子は茹で餃子(水餃子)がメインで、あえて焼き餃子を選ぶローカルは少ないです。
焼き餃子は、茹で餃子が余った時に、翌日焼いて食う「余り物」的なイメージだとか。
なので、中国人の感覚を把握しないと、昔「餃子の王将」が北京に出店したのに
即座に撤退しなきゃいけなくなるような事態となります。

赴任時点では日本に旅行したことがある人も増えたり、九州豚骨ラーメンが
実は中国人の好みに「ばっちり合った」ということで、付け合わせの焼き餃子に
少し馴染みができたこともあり、一部、需要が出てきたような感じでした。
(とはいえ、この焼き餃子コーナーは数ヶ月後に店を閉める…)

働く駐在のおじさんや、お父さんはこのような昼飯を食ってるんですよ。
20代後半の中国人部下は、
「10年前はラーメン一杯5元くらいだったんですけどね。物価が4倍になりました。」
と、愚痴ってました。

経済成長は物価上昇と共連れが基本ですものね。日本が異常なんですよ。
中国だけでなく、ヨーロッパ、USで昼飯食っても最低2千円は行きますものね。

感覚的に日本の2倍。本来、日本の企業も給料を2倍にしないといけないはずです。
給料が変わらないから物価も安いのか、物価が安いので給料が上がらないのか?
国内製造業の競争力はこれに依るところが大きいと思うのですが、
少し給料を上げてでも、製造拠点を国内に戻し、高品質な商品を少し高くしてでも
売っていく方向にシフトすべきなんじゃないかと思ったりします。
・量で稼ぐから、優良な品質を適正な価格で提供する。
 →雇用も確保でき、家賃や生活物資の物価上昇を適度にコントロールできれば
  生活もゆとりが生まれ、人口も増えるかもしれませんね。
  反面、貿易摩擦などによるリスクも増えますが、悩ましいですね。

ただ、製造拠点を海外に移したことで、その国の発展に貢献し、そこでの消費が
日本企業の製品を買ってくれる原動力にもなるという側面もありますね。

やっぱり経済は「神の見えざる手」によってコントロールされてるんですかね?