Point of No-Return

バイクが趣味なおっさんのブログ

泡沫の夢(電動化の鬼?)

今週のお題「鬼」

内燃機関(エンジン)が大好きなオヤジですが、このところの情勢では、
近い将来、動力源は電気モーターになってしまいそうな勢いですね。
まぁ環境維持のためには…という理屈はわかりますが、現実的にどうかなぁ?

近距離移動ならまだしも、数百キロ移動する車やバイクにとってのエネルギー補給が
すごくネックだと思いますし、灼熱の夏と厳寒な冬場のエアコン使用による
急激な電力消費を抑えられるのか? などなど。

中国に赴任してた当時(2016−18年)、彼の国では「大気汚染解消」のために
交通の電動化を鬼のように推進していました。
背景は14億の人口を支えるための安価で供給が安定してるエネルギー源=石炭。
それでも国内だけじゃ賄えず、海外からも輸入してましたけどね。

発電、工場動力、暖房、調理等のため、あの規模の国家がガンガン石炭燃やせば、
そりゃ、空気も悪くなります。(浄化装置なんかないし)

ちゅうこともあり、赴任以降、石炭の使用制限がどんどん厳しくなり、
自動車のEV化に加え、都市交通における”Last One Mile Mobility"*においては
日本では???という感じの「鬼のような」優遇措置が取られていた時代でした。
*:鉄道やバスなど公共交通機関の最寄駅から目的地までの移動手段

それが、電動スケーターや電動バイク
免許不要で、スクーターに至ってはナンバー登録の必要性もありませんでした。
(2020年から北京では登録が義務付けられた)

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NIU N1-S

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写真の二つは実際私が購入して使っていました。
・スクーターの方はNIU社のN1-Sという当時の旗艦?スクーターで、
 バッテリーはPanasonic製、インホイールモーターはBosch製で12万円程度。
・スケーターはよく分からんメーカーですが、こちらもバッテリーとモーターは
 スクーターと同じ有名どころ製で、ボディーはフルカーボン。3万円くらい。
 折り畳めて地下鉄やバスにも持ち込み可能です。

で、道路交通法の対象にならないので、歩行者扱いという状況です。
上述の通り登録(ナンバー)も不要ですから、ヘルメット被らなくてOKですし、
歩道走ろうが車道走ろうが、逆走しようがお咎めなし。

ただ、北京市の指導で、電動スケーターは「危ないので公道で乗るな」となり、
罰金10元!(当時のレートで¥200くらい)となりましたが、
パトカーの横走っても無視。だって罰金に対し事務処理がめんどくさいからね。

そんな状況ですが、スケーターで最高時速30km/h、スクーターは楽に50km/h以上
出ますし、モーターなんで加速が凄くて、スクーターの方なら信号ダッシュ
普通の車には負けないレベル。これはこれで「オニ」でした。

スケーターは向こうのAmazonもどき(京東:じんどん)というサイトで購入、
スクーターは流石にNIU専門店で購入しました。

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NIU専売店のお店で実車見て選びました。

ローカルの友人のおかげもありますが、しっかりしたお店だったので
タイヤの空気調整や、購入後のアクセサリー購入や取り付けも安心でした。

ほんと、近所へのチョイ乗りにはスケーター、ちょっとした遠出にはスクーターと
乗り分けできたし、充電も部屋でできちゃうので大変便利。
(スクーターのバッテリーは取り外し可能!ステップ部分に格納されている)

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北京の北海公園

サイズ的には国産の125ccのスクーターくらいですかね。

f:id:kurekureTAKORA:20220202172035j:plain最高速は60km/hくらいが頭打ちになりますが、加速トルクが太いので二人乗りでも
全然問題なく、走行安定性も含めればホンダのDio110を完全に凌いでます。

重いバッテリーがステップボード下に格納されてるのと、パワーユニット
リアタイヤ内に収まっているインホイールモーターなので、重心が低いせいか、
どしっと安定して走ってくれます。

一回の充電で厳冬期のシビアコンディションでも50kmは走行できるので、
北京のいろんな場所に行く事ができますし、渋滞も考えなくてOK。
シート下はオプションの追加バッテリー搭載と大きな買い物袋を一つは飲み込める
収納スペースありで、ユーティリティにも優れています。
加えて駐車場所に悩む必要もなし、と投資分は十分回収できたんじゃないかな?

ほんと、色々なところに連れて行ってもらいました。
北京は治安が良いせいか、路駐してても悪戯や盗難の可能性は殆どありません。
逆に警備員のおっちゃんが、
「新車だよな!傷付けられない場所はこっちだよ!」なんて教えてくれるくらい。

観光や日本人コミュニティばかりに入り浸っていては、地場の人達と触れ合うことは
難しいと思います。
まぁ、流暢な北京語で話しかけられても、殆ど何言ってるか理解できませんが。笑

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まぁ、何んでも法律・規則がんじがらめの日本に対して、
彼の国は「とりあえずやってみる。生き残った風潮が良いものであれば、
税金取れれば取り、規則作った方がよければ規制する。」と言う感じで、
表現が難しいのですが「ゆとり」は感じましたね。

私はタイミングが良かったのか、「オニのような自由度の電動モビリティ社会」を
享受する事ができましたけど、現在では電動スクーターには色々規制があるようです。
(安価なスクーターバッテリーの爆発とか出火とか、交通事故とかあったので)

鬼のように得体の知れない国の、日本ではありえない自由度の電動モビリティ社会の
断片を紹介させてもらいました。

帰任時にスクーターは部下に、スケーターは友人にプレゼントしましたが、
両方ともバッテリー充電能力は2年以上使ったのに90数%以上という状態でした。
さすがPanasonicバッテリーだけありますね!