Point of No-Return

バイクが趣味なおっさんのブログ

泡沫の夢(海南省海口市:あぶない?木の実)

2016年の10月、私は海南省の海口市という街にいました。

住処の北京から遥か2300km、飛行機でも4時間はかかります。
ほとんどベトナム?に近い「中国のハワイ」とも言われる海南島の都市です。


そこで取引先の社長さんと話ししていたら、店のお客さんの待合スペース
:まぁ、そこそこの高級商材売ってますんで、はっきり言って高級な応接スペースですね。
で、待ってるお客様達が高級ソファーに寝そべりながら、なんかクチャクチャやってる。

「あれ、何食ってまんねん?(他们吃什么哪?)」って聞くと、
「等你一下!(ちょい、待っとけや!)」と、どっかに出ていき買って来たのが下図。

さて、この木の実… 知ってますか?
知ってる人は「かなりの通」か、東南アジア通、サーファーに、勝手に決定します。

「美味いのか?」
いえいえ、硬ったいし、消化できないどころか歯ブラシになんじゃねーの?的な繊維質。
加えて一緒に写ってる葉っぱ(キンマ)と何故か白い粉(石灰)の粉が必要です。

<お召し上がりかた>
 ① 木の実の1/4位を毟り取り、キンマの葉っぱの上にON
 ② そこに白い粉(石灰)を振りかけて、キンマの葉っぱで包む
 ③ ②を口の放り込み、ひたすら噛み続ける
 ④   当然だが、口内に唾液が溜まってくるので、飲み込まず吐き出す

ここで上品な日本人諸氏なら、「おいおいどこに吐き出すんじゃ!」
と、なるのですが、社長はすかさず高級なクリスタルの灰皿を出してくる…
「いや流石に、ここには…」
「ええねん、掃除担当の仕事を減らすんじゃない!」

吐き出す唾液は「血のように真っ赤っか」…オェ、なんやこれ?
社長:なんか変化ないか?
わし:なんやねん、何も変わりないで。
社長:前の晩、酒飲みまくったか?
わし:飲んでへんわい。
社長:もう一個いけ(食え)!
わし:おげ。

この木の実ですが『槟郎:binlang(びんらん)』というものらしく、
カミカミしてると、実&葉っぱ&石灰の化学反応で「幸福感」が得られるそうです。
なので店の客人達はソファーに寝っ転がりひたすらカミカミしてたんですね。

私、体質に合わないのか、全く変化なし…
社長曰く「やっぱり日本人は忍者なのか効かないようだな…
つーか、お前はどんだけ飲ませても酒酔わないし、二次会のカラオケ屋(中辛)でも
元気いっぱいやったからなぁ…どないなってんねん!」

ちょっと中南米のコカの葉的な(精製してなくても日本じゃ違法ですよ)ものかと、
思ってたのですが、まぁアジアの「噛みタバコ」的なものかと。
コカの葉や大麻は麻薬扱いですが、槟郎は麻薬ではありません。
が、ナマの実は防疫(害虫)の関係で日本には持ち込めません。

まぁ基本、美味いものでもないですし、健康上の影響(口腔がんや、歯の病気)も、
依存性もあるようなので、手を出さないのが一番ですね。

さて、その夜のご飯は…
海鮮と地元名物の「羊のスープ」。(と、聞いたが)
そう、なんでも出されたものは食べるのが礼儀なのだ!(ウェ〜ン)