Point of No-Return

バイクが趣味なおっさんのブログ

泡沫の夢(中国一、金持ちの村)

赴任年の年末…
会議で杭州:hangzhou(はんじょう)から江蘇省無錫市に行ってました。

無錫では、「ちょっと『金持ち村』にでも行きましょう」と誘われ、
中国一の金持ち村である「华西村:huaxi-cun(ふぁしぃつぅん)」に行ってきました。

村にそびえる72階建てのビル内には、純金の牛に純銀の牛…

「どうやって運び込みましたの?」
「へい、ビルの建築中に溶鉱炉と金と銀の延棒を運び込みまして…」

水族館もありますしね。

まぁ、なんで金持ちになったかというと、1960年代の後半、
目鼻の効く村長が村民から金を集めて、小さな製鉄所を作ったことから始まります。

建設用の鉄筋が売れ、78年の改革・開放路線に転換してからは建設用のボルトやナット
…と手を広げ、儲かった金で金融業(銀行)まで作ってしまったそうです。

村自体が株式会社なので、村民の皆さんは配当金どころか、
結婚すればお祝いに立派な一戸建てとクルマがプレゼントされるし、
毎年の配当金(給料)に関しては「もう使いきれんから、貯金額を見る気もしない」
という羨ましいワールドのようです。

中国では都市部の人間は「一戸建て」には住めません。いくら金持ちでも。
市街地中心部では一戸建ての建築許可は下りないのです。でも村なら好き放題。
(都会の大金持ちは、郊外に「別荘」を買うのですが)

村民はコングロマリッド会社の社員(株主)なので、基本、好きな仕事をしています。
学費も病院代も全て、会社もち。
コングロマリッドの各種業務や村の維持修繕や清掃は全て村外から雇った労働者がします。

つまり…「中国一の金持ち村」には「中国一の貧富格差」が存在しているのです。

杭州(よくコウシュウと言われますが、ハンジョウと呼びます)はじめ、
この周辺は日本人でも馴染みのある地名が多いですよね。(無錫もそうだし)
料理も日本人の口に合うものが多いです。


お飲み物は「白酒」ですけどね…オェ!

クリスマスは終わっても、正月気分が次の年の旧正月まで続きます。

な筈だったのですが、北京に戻ると…
急に食品衛生管理局(日本だと保健所?)の大規模なガサ入れがあったようで、
会社周辺の小さな飲食店は軒並み封鎖状態になっちゃってました。


いわゆる「軒先店舗」的な個人商店が軒並みOUT!になったようで。
昼飯探して彷徨う勤め人達も「あきらめ」ムードですね。
写真だと道路脇の平家?部分が違法建築なんです。そう、高層住宅脇に勝手に
建築した部分で飯屋を営んでいたということです。

聞いたところ、朝方一気にステッカー貼りまくって、年末までに違法建築部分を
「職権により撤去する」と言い放ったそうです。
さすが中国、年明けには平家部分は全て解体され、道路が広くなっていました。

土地は国家の所有ですから、許可された建物以外は全て「違法」なんですね。
こういう国&常識なんですよ、中国は。
一般大衆は、すごく従順なんですね。だから統制が取れる。
反面、この統制が取れなくなる事態になると、大変な危機が訪れるのです。
(まさに天安門事件や、最近の白紙活動等)