Point of No-Return

バイクが趣味なおっさんのブログ

泡沫の夢(南京という街)

2018年の晩秋、南京に行きました。

南京大虐殺」というネガティブな言葉は聞いたりしますが、
北の北京に対する南の南京なのに、いまいちメジャー感がない。

北京から南にざっくり1000km。
飛行機に乗れば2時間程度で行けますが、新幹線という手もある。
新幹線だと朝8:30に出発し、昼12時半ごろに着く4時間コース。
北京を出れば、途中停車駅は「济南:jinanじぃなん」のみで、二つ目の到着駅。

ちなみに中国語で飛行機は「飞机:feijiふぇいじぃ」、
新幹線は「高铁:gaotieがおてぃえ」と言い、普通の電車は「火车:huocheふぉちゃ」。
料金は750元(¥12000)位ですね。1000km新幹線に乗ってですが。

新幹線のチケットは駅で買うより、事前に最寄りの「高鉄票」なんて看板が上がっている
チケット発券屋にパスポート見せて購入しておく方が駅で時間かからなくて良いです。
今はもう、飛行機同様にスマホで購入できるのかな?(当時はなかった)
このチケット屋ってアパートの一室にあったりして、日本の旅行代理店のような
イメージとはかけ離れてるので面白いところです。
中国語喋れなくても、漢字で紙切れに出発日と乗降駅書いてパスポートと
現金持っていけばOK。
例:十月二十三号 8:30 北京南〜南京南(站:zhanじゃん=駅)
  一等 窗边(chuangbianちゅぁんびぇん=窓側) みたいな。

新幹線駅ですが、北京には北京駅、北京南駅、北京西駅があり、それぞれ行先が
異なるのと、結構距離が離れているので要注意です。
駅に着いたら、まず駅舎内に入るためセキュリティゲートがあります。
空港のようなX線検査装置を潜らないといけません。これは地下鉄も一緒。
その際、人民は「身分証カード」、外人はパスポート必須です。(新幹線&飛行機)

駅に入っちゃえば、あとは乗車する新幹線ホームの改札が開くまで人民と一緒に待つのみ。
日本と違うのは、乗車する号車(のぞみ1号とか)毎に改札が開くため、自分の乗る
新幹線の時間にならないとホームに入ることはできません。


新幹線は飛行機と異なり、ライターの持ち込みはOKでした。
ホームは全面禁煙なんだけど、ゴミ箱の上には必ず紙コップなどが常備?され、
タバコを吸っていても誰も文句は言いません。(当時)

また、停車中の車両からは「不思議な液体」が線路にジャージャー排出されています。
きっとエアコンの排水か、何かの冷却水だと思いたい…(ただ場所的にはトイレ?)

南京は緯度で言うと鹿児島あたり。上海から長江を遡るので、どうしても上海に人気を
奪われるのだが、明の時代の首都であり、玄武湖を抱く中国らしい都市です。

まぁ、観光地紹介はその筋の紹介記事が多いので、お任せするとしても、
孔子を祀った夫子廟周辺や玄武湖公園は是非、足を運んでも良いところです。

地下鉄もバスもあるので移動は非常に楽。
夫子廟周辺はじめ、ゴミひとつなく清潔で綺麗な都市です。

冒頭に書いた「南京大虐殺」の場であるので、さぞ「日本人嫌い」なんだろうと
身構えていたのですが、そこそこ日本人観光客も多いせいか、全く気配なし。
路線バスに乗った際に、小銭がなかったので両替しようにも、向こうのバスには
両替機なんてものもない。(バス代は2元=¥30くらいだったかな?)
困った挙句、20元札を料金箱に放り込もうとしたら、運転手さんが、
「小銭ないのか?よし、乗客に両替できないか聞いてやっか。」とバス停めたまま、
乗客に「この外人、両替して欲しいってよ!」って叫ぶ。
すると腰の曲がったお爺ちゃんが、ヨレヨレの巾着袋をぶらぶらさせて「こっちゃ来い」。

丁寧にきっちり小銭に両替してくれて、お礼を言うと、
「不客气、日本人」(気にすんな、日本人)と・・・

これはね、ご当地名物の「汤包:tangbaoたんばお」=小籠包屋さんでもそう。
いろいろ種類あるので悩んでいたら、店員のおネイさんが、
「日本から来たの?これ、これ、これ選ぶといいよ。美味しいよ」って日本語で!
(後で聞いたら、どうも大学生で日本語勉強しているらしい。)

めっちゃ親日なんですけど・・・
これはね、いろいろ説ありますが、南京の人たちは戦前から来ていた日本人と
ビジネスで密接につながりがあった。開戦後、蒋介石が乗り込んできて本拠地として、
南京を好き放題していたところ、日本軍が上海より長江沿いに進軍。
「日本人に何も残すな!」と同胞なのに南京はじめ退却路の街の焼き払いを命じ、
テメーは飛行機で奥地の重慶に逃亡。なーんて感じだったそうです。
諸説あるので事実は不明ですが、私の爺さん(故人)は南京に駐留してた日本軍だった。
彼曰く、駐留時、南京の人と日本軍は一緒に魚採りをしたり仲良く過ごしていたらしい。
(投網で魚捕まえていたので「漁網での囲い込み漁を教えてやった」と言ってた。)

現中国政府曰く、日本軍は「20万人の罪もない民間人を殺戮した」らしいですが…

まぁ、そんな事はさておき、南京に行ったら是非、汤包はもちろん、
「狮子头:shizutouしぃずぅとぅ」という巨大な肉団子は名物ですので食べてください。
(今はコロナもあるし、中国政府との関係も良くないので、当分先でしょうが)

日本人のイメージする中国にピッタリ合う街です。
そういう意味では、北京・上海・広州よりは南京や武漢成都の方が観光には良いかも。