Point of No-Return

バイクが趣味なおっさんのブログ

泡沫の夢(大陸映画リコメンド)

今週のお題「何して遊んだ?」

ブログのメインテーマである「バイクねた」ではないのですが…

徐々に改善されていたとはいえ、赴任期間前半は北京のPM2.5は酷かった…
特に赴任年の16年は空気汚染度数が200近くなると「石油臭」がする状況。
度数の最大値は500で頭打ちなので、最高がどんなレベルだったかは分からない…
高層ビルにいると隣のビルや地上が見えない、道路が通行止めになるレベル。

なので、あまり外出ができません。
どうしても家に引きこもるか、屋内でのレクリエーションにならざるを得ません。
(マスクして見通しの悪い中ゴルフに興じる猛者もいますが…)

大抵の単身の赴任者は「引き篭もって」ゲームかネットTVで撮り溜めた日本の番組を
消化するか、違法DVD見るか、ジムでストイックにトレーニングするか…

海外赴任というと聞こえはいいですが、空気の悪い中国や東南アジア、インドなど、
空気の悪い国に赴任している人間は可哀想なもんですよ。
(まぁ、中国は他に比べ「治安や生活物資が先進国並み」と称して、所謂、
 危険地手当:ハードシップがゼロなんですが。)

赴任中は映画をよく観に行って遊んでたなぁ。
最低月イチは行ってました。
映画は「电影」dian-ying:でぃあんいん。TVは电视dian-shi:でぃあんしぃ。

あ、基本、アメリカ映画なら英語で字幕は中文。勉強したい人にはもってこい。
中国映画(大陸・香港・台湾)は現地語で字幕は中文標準語付き。
(つまり台詞が標準語、香港語、台湾語なので地方の人にもわかるように…)

この年の秋、「君の名は。(你的名字。)」が上映されて中国内興行1位になりました。
赴任最終年はなんと、「となりのトトロ」も上映され、これまたメチャ話題に。
邦画が上映されたのはドラえもん含め、記憶では3つくらい。日本語版と中文版あり。

きっかけは…行きつけの喫茶店の店員(燕子)とは顔見知りになってたので、
カタコト中国語で「空気悪い時、何してるんだ?」と、聞いたら、
何を勘違いしたのか(聞き方が悪かったのか)、
「日曜はシフトが入っていないから映画に行きたい!」…

?映画でぇと?に誘われた?…まぁ、観たい映画行きたいんだろう。
行きつけのカフェの娘だし、映画くらい付き合って中国語教えてもらうか。
(日本語は会話にならないし、英語は全くダメな真正中国人)

燕:你有没有微信号吗?
       「あんた、微信:wechat(=中国版LINE)アカウント持ってるか?」
我:对啊〜(ほいな)
燕:「ほな、こうすんねん。わかるかぁ?」  的な会話。

微信には、LINEのウォレット機能に映画などのイベント系、交通機関&ホテル予約、
レストラン・フードデリバリーの予約機能がオールインワンになってて、
自分の銀行口座と紐つけ出来てる決済機能とセットと考えてください。
めちゃ便利です(でした)。

自分の会社の中国人部下も当時は、まだ使い切っていませんでした。
(だから教えてくれなかった。一般化したのは17年くらいかなぁ?)
この後、Wechat支払いが急速に普遍化して、生活消費のほとんどはWechat支払いで
済ませれるようになりました。
最終年なんて、現金使ったの1000元(1600円)位じゃなかったかなぁ?

やっぱりこういう先進機能は経済社会に入り込んでて、新機能に柔軟性のある20代が
時代を作っていくんですねぇ。(若年層マーケティングは必要!)

当然、観覧日時、映画館、席、支払い(2名分w)も一瞬で終わりました。
「ほな、建国路の金地中心のZARAの前で○○時に。」ってな感じで、一方的に決定。

ちなみにお代は映画や3Dなどの形式にもよりますが40−50元(7−800円)。
ちょっと高い昼飯か、晩飯、またはスタバくらいの感じ。

観にいった映画は、16年4月29日封切りの

北京遇上西雅图之不二情书 Book of Love

英題(wikiリンク):Finding Mr.Right2

北京遇上西雅图之不二情书


www.youtube.com

日本では未公開でしょう。日本人受けのする美人女優「汤唯tang wei」と、
人気俳優「吴秀波wu xiubo」の共演で、シリーズ2作目。(内容の繋がりはない)
多分、Netflixだと見れるんじゃないかな?

タイトルの中国語は「北京とシアトルの出逢い」ってな感じでしょうか?

汤唯は大陸出身の女優さんですが、過去の出演映画である香港映画で、
大陸人には刺激強すぎのキワドイシーンや、内容が日本側スパイを愛してしまう、
といった事もあり、政治的理由で干されていた時期がある女優さんです。

映画の分類はラブコメですが、郷愁を誘う場面や、気にも留めなかった文通相手と、
徐々に想いが通じて、奇跡的にロンドンの本屋跡で出逢う…といったものでした。
いい映画だと思います。1作目もWEBで見ましたが、2作目の本作の方が好き。
(本作は北京もシアトルも関係ないんですが…)

さて、燕子が何を思って、私をこの映画に誘ったのか…
「汤唯、めっちゃベッピンさんやなぁ、あんな彼女欲しいわ!」
と、映画の後で言ったらシバかれた(她说’插死你!’:She said to me, "Fu●k You !")、
私にとっては辛い思い出の映画ですが、機会があれば是非!

当日、「中国人は遅れるに決まってる」と決めつけてたんですが、
燕子は待ち合わせの場に先に来てて、物陰に隠れてて、
私の背後から「わっ!」と声かけてきて昭和ネタよろしく驚かされたり、
人の愛車?の電動スケーターを器用に乗り回して喜んだり、赴任後あまり笑うことが
なかった私を久しぶりに「人間らしい」気持ちにさせてくれました。
(学生時代以来のシチュエーションやなぁ〜)

よくもまぁ、外人かつ、年の離れたオヤジ相手に無邪気なもんだ。と…
(あんまし、ご当地の女性は年齢差は気にしないようです。)

その後も2ヶ月程度、燕子とは映画に行ったり、飯食ったりしたんですが、
ある日突然、「北京の生活に疲れた…」と言って故郷に帰っちゃいました。
まぁ、人それぞれ、いろんな理由があるんだろうし、引き留めもしなかったですが。

が、
その年の秋にはターミネーターよろしく、パワーアップして北京に舞い戻ってきて、
私の中国生活を充実(掻き乱して)くれました。www

まぁ、中国では「映画見て遊んでた」というお話です。 Fin