Point of No-Return

バイクが趣味なおっさんのブログ

旧車ブームについて思うこと…

旧車に思い入れがある人、大好きな人には申し訳ない話になりますが、
ここんところの「旧車ブーム」で、30年以上前の車やバイクが
信じられないような価格でマニアが取引したり、盗難にあってしまうケースが
ニュースなんかで取り上げられています。

身近なところでも、バイクに乗りたいので免許取った若手が、
YAMAHAのドラッグスター乗りたいんで買いました!」なんてホザいたりもしてます。

私が免許取った頃は、バイクで言うとCBX400FやZ400FX、初期型RZなんかは
一世代上の兄ちゃんたちが乗ってたバイクですが、正直、当時は人気はなかったです。

もちろん、そのようなモデルを借りて乗ったことはありますが、
「パワー無いなぁ、まっすぐ走らないなぁ、ブレーキ効かないなぁ。(格好悪いなぁ)」
CBX400Fなんかは教習車でも使われていたので余計、人気無くって、
買った日にゃぁ「なんで、わざわざ陳腐なバイク買うの?」と言う感じでした。
人気無い→中古安い→その手の人達が愛用する→その手の人達の伝説化
という図式ですかね。

うん…乗って感動する、なんて無かったなぁ。
時代背景もありますが、「新しいものが良い」時代でしたし、当時は商品そのものも、
新モデルは前モデルを「遥かに凌駕する進化」をしていました。

CBXやFXなんかは空冷4気筒で確かにそれらしい音はしますが、絶対的に速くはない。
「音はすれど、速度は上がらず…」ってな感じ。
RZはパワーバンドに入れば「ギュン!」と伸びますが、そのバンドも狭く、煙もくもく、
ほんと「使い手」で無いと乗ってられないバイク。
決して、乗って楽しいバイクではありませんでしたよ。←ココ大事。

レプリカブーム時代は250ccでもフルパワーで45psありましたが、
「まわしに回して」その出力が搾り出される訳なので、普段使いでは恩恵なし。
当然、故障も多かったです。今と違って「機械は壊れるもの」前提で皆、認識してたし。
(今なんて「新車だから壊れないでしょ?メンテって必要?」なんて気風ですもんね。)

以下写真は、ハイティーン時代に乗ってた乗り物。
(RZ350に懲りて買ったVT250FEはパワーも燃費も乗り味も最高のバイクだった。
 叔父貴から貰い物のZなんて貧乏臭い以上に超ガソリン臭かったし、修理費が…)

キミマロでは無いですが「あれから30年…」。
当然、補給部品なんかはちゃんとでません。もともと壊れやすく、設計耐久年数も
短かった時代の機械ですので、「まとも」な状態で走れることが奇跡。
踏み込んで言うと「危険と隣り合わせ」。
自分で治せない、触れない人は、悪いこと言いません。近寄らない方がいいです。

ノスタルジーや格好良さ、コレクターマインドは解ります。
でも、2stバイクやロータリー車の件でも書いたけど「機械にも寿命がある」。

いくら精緻に組み上げられた国産でも、旬はあるので10年が限界!
悲しいかな、金属部品でも歪みと金属疲労は避けられない…
(10年過ぎても物理的には乗れますが、もうそれは別の乗り物)

kurekuretakora.hatenablog.com

先に書いた新人バイク乗りの若手は、せっかく買ったドラッグスターの修理完了目処が
いまだに見えず、途方に暮れています。(それも楽しみかもしれない…)
でもね、治ったとしても、安心してツーリングに行ける?
壊れたり、事故ったりして周りの人に迷惑かけない?

なーんて考えると、私自身は怖くて乗れません。
友人に古いバイクを全国から買い漁って倉庫に入れるのが趣味の奴がいます。
でも彼は正直に「投資!」て言ってます。www

クルマもAE86や初代ランタボにハコスカなんか、一通り乗ったことがありますが、
正直、我慢大会ですよ。ハンドル・クラッチは重いし、ギア入らないし、
ハンドリングもボデー剛性も…Zなんて何度エンジンルームから煙が出たことか…
豆腐屋さんのような走りは、数百万突っ込まないとできないでしょうねぇ。

古いものが悪い!って言ってる訳じゃ無いんです。
かなりの苦労を背負い込む覚悟がある方にとっては、愛には変えられないでしょう。
「良いなぁ、懐かしいなぁ」って私も思います。でも所有するか?は別問題です。

知り合いの大手修理工場(設備も技術者もしっかり)でも10年前くらいに
「レストア」商売を始めましたが、「販売時点で悪いところ全部治して仕上げても、
その後どんなトラブルが起きるか断言できず、正直売るのが怖い。」と言ってました。

「旧車、良いなぁ〜」って方は、かなりご覚悟が必要ですよ!
と思いましたので、書き込んだ次第です。